M.シューマッハ、期待した結果が出せずにメルセデス離脱へ
2010年にメルセデスでF1復帰を果たしたミハエル シューマッハだが、表彰台が1度のみという結果でチームを離れようとしている。現地時間(以下、現地時間)28日、『ロイター』通信が報じた。
通算91勝でF1史上もっとも成功したドライバーのM.シューマッハ。しかし、ルイス ハミルトンがメルセデスと2013年から3年契約を結んだため、今季末でチームを離脱する。M.シューマッハは復帰後、表彰台を獲得したのは今季の1度だけで、期待外れの結果が続いていた。
批評家や一部のファンは復帰に際し、M.シューマッハにはこれ以上証明すべきことは何もなく、セバスチャン ベッテルら若手を相手にすると失うものが多すぎると指摘。2006年に一旦はフェラーリで引退したM.シューマッハは、1周してキャリアの初期を支えてくれたメルセデスに戻るのだと前向きに発言していた。しかし、M.シューマッハにとっては息子に近い年齢のS.ベッテルが、2010年から2年連続でダブルタイトルを獲得したことで、M.シューマッハの復帰は影が薄れていった。
M.シューマッハはリリースを通じ、「望んだ結果が出せなかったのは残念だけど、チームとはすばらしい3年間を過ごした」とコメントしている。
復帰後、M.シューマッハの走行は無謀運転と批判されることもあり、最近ではシンガポールGPでトロ ロッソのジャン-エリック ベルヌに追突し、次戦日本GPで10グリッド降格のペナルティを受ける。元F1王者のニキ ラウダ氏は、「復帰がうまくいかなかったとしても、後悔などしなくていい。それで彼の人物像に傷がつくわけではない。この3年、トップクラスのマシンではなかっただけのことだ」と述べた。
M.シューマッハが移籍してさらに現役を続けるという可能性も消えたわけではないが、ドイツのファンはM.シューマッハ不在のレースを受け入れようとしている。ロンドンオリンピックの男子円盤投げで金メダルを獲得したドイツのロバート ハルティングは、「個人的に、彼はドイツにとって最初のスポーツアイコンだった。ドイツのスポーツを代表する1人だ。それが終わるというのは大きな損失だが、ほかの者がそうならなくてはならない。セバスチャンにそうなって欲しいよ」と語った。